調理の仕事には色々とありますが、今回、保育園での給食の調理の仕事の内容は大変?なのかを伝えしたいと思います。
給食調理の仕事は公務員として働く働き方と民間の委託からの働き方があります。
今回お伝えするのは民間の委託としての働き方です。
調理の仕事でも、保育園の給食の調理は少し勝手が違います。
一度に作る量も違いますし、小さい子供たちのための調理なので、味付けや硬さなども子供が食べやすい状態に仕上げなければいけません。
給食で食中毒を起こすことのないように、衛生管理は徹底してやります。
初めは、覚えることも多いです。
5年ほど保育園での給食の調理の仕事に携わっていた私が、仕事内容は大変なのか?とメリットとデメリットについてお伝えしたいと思います。
保育園での給食の調理の仕事に関心があるけれど、どのようなことをするのだろう?
どの様なメリットとデメリットがあるのかな?
などの疑問が少しでも解決することを願っています。
保育園の給食調理の仕事の大変なところ(デメリット)
保育園の給食の調理の仕事で大変なところはどのようなところかというと、給食調理をやったことのない人は、大量調理の仕方に大変さを感じると思います。
保育園の人数にもよりますが、100食以上の調理になると、食材の量も多くなりますし、それだけ手早く仕事をこなしていかないと、時間に間に合わなくなってしまうので、時間管理は必須です。
子供たちの安全を考え、衛生管理はかなり徹底してやらなければなりません。
家庭の調理とは勝手が違うので、最初はかなり混乱すると思います。
しかし、やる気と何度でも理解できるまで繰り返し聞く姿勢があれば、必ず上達していくと思います。
まず最初に私が感じたデメリットの部分をお伝えします。
意外と体力仕事
保育園というと可愛い子供たちのイメージが強いのですが、調理場は結構体力を使います。
食器を洗った後に入れるかごがあるのですが、衛生管理の為に,熱風庫というところに入れ、高熱で殺菌します。
沢山お皿が入ったかごなので、とても重いです。
お鍋も100食くらい一度に作れる鍋を使ったりする為、持ち運びも大変です。
野菜やフルーツなども家庭とは違い量が多いので、重いかったり、運びづらかったりします。
気を配らなければならないことが多い
子供たちの健康を守るために、とても衛生管理には気をつけます。
手によって菌が運ばれてしまうことが多いために、徹底した手洗いをやります。
作業中でも、汚いものを触ったら手を洗います。
普段の生活ではそこまで気を使うことなく色々なものを触ったりするので、慣れるまでは大変だと思います。
そして、アレルギー問題があるために、提供間違いを起こさない為に何度もチェックをし、何人もの目で確認を行います。
そして、子供たちが待っているので、遅れることは許されません。
毎日が時間との戦いです。
火を使うので暑い
特に夏になりますが、もちろん空調も付けるのですが、火を使わなければできない仕事なので、とても暑いです。
私は最初の頃、くらくらとめまいがしました。
水分をとりながら、たっぷりと汗をかいてやる方がいいと思います。
以外にも、だんだんと暑さにも慣れてくるものです。
保育園の給食調理の仕事のメリット
どのような仕事でも、メリット、デメリットとありますが、保育園の給食調理の仕事のメリットは何でしょうか。
メリットがないと仕事は続けていくことが大変ですね。
仕事を選ぶうえで、気になる事だと思います。
いくつかある中で、3つ選んでみました。
保育園の可愛い園児たちに会える
子供たちの明るい笑い声や話し声が聞こえてきます。
給食室で調理している時は、仕事に集中しているので子供たちと関わる事は出来ませんが、朝登園してくるときや、当番の子が献立を聞きに来たりする時にお話しすることもあります。
給食をとても楽しみにしている子は覗きに来たりする時もあります。
「今日のフルーツなぁに?僕はカレーが好きだから作ってね」とリクエストがくることもあります。
給食をどれだけ食べているかを教室に行って確認することもありますが、その時には人懐こい子は色々と話しかけてきてくれますよ。
運動会などの行事にお手伝いで参加することもあったり、子供たちの成長する姿も見ることが出来るのがとても楽しかったりします。
園児がお家に帰るときに「今日のお給食とっても美味しかったよ!」と言ってくれた時には本当に嬉しくなります。
子供が好きであればとてもいい環境ではないでしょうか。
調理の勉強ができる
調理師免許を持っていなかったとしても、パートとして働いて2年以上実務経験を積むことが出来れば、調理師の試験を受けることが出来ます。
受かるには勉強が必要になりますが、調理師の免許を取得することが出来たら、社員として働くことが出来るようになるので、希望があればチャレンジしてみてください。
色々なメニューを作っていくので、料理の勉強になること間違いなしです。
意欲を持って、前向きに仕事をしていけば細かい調理のポイントなど、沢山勉強になりますよ。
たまに変わったメニューがあったりするので、お家でも作ってみるといいですよ。
お子さんがいるママも働ける環境
保育園やママさんの事情などを分かってくれるために、突然子供が体調を崩したときなど、理解してくれ、周りのみんなが助けてくれます。
パートで働く場合は働く曜日や時間など相談にのってくれるところも多いと思います。
お子さんが出来て出産の為にお休みし、復帰する方も多くいました。
職場にも同じ仲間がいるので、話も合うのではないでしょうか。
保育園の給食調理の仕事の内容はどんなことをやるの?
保育園の給食調理の仕事ってどのようなことをするのだろうという疑問に対して、これから詳しく内容と流れをお伝えします。
何となくこんな仕事をするのかというイメージは分かってくるかと思います。
朝の食材の受け取り
八百屋、牛乳屋、お菓子他、肉屋、魚屋、パン屋などが朝の時間に園に配達に来ます。
栄養士さんや我々が検品しながら受け取ります。
前日に準備された材料もありますが、鮮度が必要なものに関しては当日の朝の受け取りになります。
給食の献立は栄養士さんによって作成され、それに必要なものを発注されます。
今日の調理に必要なものがきちんと発注されて届いているかを確実に確認!
調理を始めてからないことに気づくと大変なことに!
保育園の園児たちの朝の水分補給の準備
保育園によって違う内容もあるとは思いますが、園児たちがお父さんやお母さんに連れられて、保育園に来園し、水分補給をする時間があります。
給食室では、お水や牛乳、乳酸菌飲料などの水分補給をするための準備をします。
お水ではなく、麦茶を薄めに作って出す園もあります。
そのためにクラスごとに飲み物とコップなどを人数分準備します。
1歳未満の乳児がいる場合、おさ湯やミルクを一人ひとりの量や温かさで準備します。
保育園の園児たちのお昼ご飯の調理と提供
メインの仕事がこのお昼ご飯の調理になります。
何人かで仕事を分担しますが、下処理をする人、野菜をカットする人、調理をする人、食器を準備する人、フルーツをカットする人といったように分かれて作業していきます。
それぞれの作業がしやすいように時間で何をすべきかのタイムスケジュールが決められています。(私が働いていた会社はそうでした)
作るメニュ―は栄養士さんが作成してくれますが、
ご飯 (白米、混ぜご飯、チャーハン、カレーなど)
汁もの (味噌汁、お吸い物)
主菜 (肉系、魚系、卵系)
副菜(野菜の煮びたし、あえ物、炒め物)
フルーツ(季節のもの)
になっています。
保育園では抵抗力もまだ弱い子供たちなので、食中毒を起こさない為、生の野菜を極力出さないようにしています。
トマトやフルーツなどは必ず消毒して提供します。
下処理
下処理をするシンクがあり、下処理用のエプロンをつけて作業をします。
そこで、洗う順番もきれいなものから泥や菌などのついている汚れたものの順番で洗っていきます。
洗浄する時に、異物がないか虫などがいないかのチェックをします。
野菜をカットする前の皮むきをし、カットする人に渡していきます。
野菜が終わった後で、肉や魚などの下処理を始めます。
生肉、生魚を扱うのは下処理を担当する人になります。
ハンバーグなどの肉コネや形成もここでやり、オーブンで魚を焼くときも下処理の担当者が並べていきます。
下処理を早く終わらせないと次の作業が滞ってしまうので、手早さが必要になります
しかし、雑な作業になると異物に気づけなくなるため、手早さと細かくチェックする目を養わないといけませんいけません
野菜をカットする人
下処理された野菜をカットする担当がいます。
どの様な形にカットしていくのかを事前に決められているので、そのようにカットしていきます。
下処理から次々と回ってくるので、素早くカットしていかないといけません。
初めはカットに時間がかかってしまうこともあるかもしれないですが、慣れてくると、カットも早く出来るようになってきますよ。
私は自宅でも早く切れるように練習しました。
大人が食べるよりは小さめにカットしていきます。
調理する人
調理する人は大体ベテランの社員がやる事が多いです。
一般家庭の鍋よりも大きく、回転窯などを使用することもあります。
保育園で決められたお昼の時間があるので、それまでに間に合わせるように手際よく調理をしていかなければなりません。
大量調理になると、余熱で野菜に熱が入りやすいので、野菜を入れる順番も考えていかなければなりません。
保育園の給食は味付けも少し薄めにしてあげます。
そして、やわらかめに作ります。
離乳食がある場合は、離乳食専門で調理する人がいます。
離乳食はメニューは簡単であっても、一人ひとりの成長によって形も硬さも変わってくるために、何種類か作る必要があります。
硬さも、飲み込むドロドロタイプのものだったり、粒入りにしたり、歯茎でつぶせる硬さにしてみたり、歯が生えてきた子にはかなり柔らかく、でも歯ごたえを感じられるくらいと様々あります。
フルーツカットをする人
盛り付け前に間に合うように、子供が食べやすい大きさにカットしてあげます。
年齢ごとに大きさを変えてあげるフルーツもあります。
例えば、オレンジ系などは、1歳は皮をむいてあげ、2歳は皮をむきやすくしてあげ、3,4,5歳は皮つきでカットしてあげたりします。
離乳食がある保育園では、リンゴやナシなど、すりおろしてあげることもあります。
食器セット
調理をしている間に、盛り付けをするための食器をクラスごとに人数分準備していきます。
保育園の給食は全員分盛り付けをしてあげるため、きちんと人数分準備してあげないといけません。
ご飯用の食器、汁用の食器、主菜、副菜、フルーツ用とコップを全部数えて準備しないといけないので、結構時間がかかります。
盛り付け
小学校などは大きな鍋や入れ物に、1クラス分をまとめて提供することが多いのですが、保育園ではひとりずつ盛り付けを行います。
食べる量も、1歳、2歳は少なめに盛り付けしてあげたりと、分量にも気を配らなければいけません。
子供たちがより食欲が出るように、喜んでくれるように、美味しそうに見えるように盛り付ける努力をしました。
アレルギーを持っている園児がいるので、アレルギーの食材を抜いて調理したり、別メニューの物を提供したりするので、とても注意が必要です!!
必ず分かりやすいようにお盆を変えたり何かの目印などをつけますがとても気を配らなければいけません。
保育園の園児たちのおやつ
園児たちにお昼ご飯を提供した後は、1時間ほどのお昼休憩に入ります。
園児たちは、お昼ご飯を食べた後はお昼寝の時間になりますが、その間に給食室ではおやつの準備をします。
その日によって、手作りのおやつの時もあれば、市販のお菓子の時もあります。
子供たちはおやつをとっても楽しみにしてくれているので、たまに「今日のおやつはなぁに?」と聞きにくる子もいますよ。
手作りおやつはどんなものをつくっていたかというと、クッキー、ケーキ、プリン、白玉団子、ドーナツなど様々でした。
季節のおやつ等も考えられたりと
洗い物
朝、昼、帰りと洗い物があります。
朝の水分補給から戻ってきたもの、お昼ご飯が終わったもの、おやつを食べ終わったもの。
次の朝も、前の日の帰りに提供した水分補給とお菓子に使ったお皿などの洗い物があります。
洗い物は結構な頻度であります。
お迎え前の 水分補給とお菓子
園児たちがお迎え前に水分補給とお菓子を食べる時間があるのでその準備もしてあげます。
それぞれのお迎え時間が違うので、その日の準備する数も変わってきたりするので、確認が必要になります。
これらを提供する前に、片付けや明日の準備などをして大体の仕事が終わります。
保育園の給食の調理の仕事はどの様な人が働いているの?
ここまで、仕事の内容について細かくお伝えしてきました。
ここからは保育園の給食の調理の仕事をする人達はどのくらいの年齢か、この仕事をするために特別な資格などが必要なのかをお伝えします。
保育園の給食調理で働く人の年齢や職場の人数は?
給食で働く人は、社員とパートに分かれます。
社員は調理士や栄養士の専門学校や大学卒の人が多いです。
新入社員が入るので、20代の若い子たちも多くいます。
社員の中には男性もいますが、だいたい男性社員は小学校に行くことが多いので、保育園は女性がほとんどです。
何年も働く人も多く30代、40代、50代と様々な年齢層です。
パートで働く人は子育て中のママが多いです。
保育園の給食の調理の場合、保育園の受け入れ人数や離乳食があるところかどうかでも、同じ職場で働く人数が違います。
園児が30人前後の小さいところだと、2人でやる事もありますし、100人近くだと、5人くらいでやります。
80,90人くらいでも離乳食があれば5人、なければ4人でやる事が多いと思います。
保育園の給食の調理の仕事に資格は必要?
調理の仕事ともなると、資格が必要なのではないだろうかと思いますが、社員はそうであっても、パートで働く場合は、必ずしも必要ではありません。
実際調理する人は社員なので、調理の仕事はほぼないかもしれませんが、洗い物、食器セット、野菜カット、フルーツカット、盛り付けなどが主な仕事になります。
調理が好きで、調理をやりたいと思ったら、先ほどもお話ししましたが、仕事をしながら調理の勉強をして、調理師の免許を取得することによって社員にもなることが出来ますし、調理に携わる事が出来るかもしれません。
給食調理の中には主任がトータル的な責任者として立ち、副主任は主任をサポートする人、そして他の社員とパートメンバーで成り立っています。
女性の多い職場なので、はっきりといいますが、人間関係で悩む人も多いです。
チームワークを作っていかないといいものを作ることが出来ないので、主任や副主任をいかにサポートしていい関係作りをするかで違うと思います。
保育園の給食調理の仕事内容は大変?:まとめ
調理の仕事をしてみたい、という方に向けて、今回は保育園の給食の調理の仕事の内容は大変なのかというところと、この仕事のメリット、デメリットをお伝えしてきました。
調理の仕事の内容は大変なこともありますが、とてもやりがいのある仕事です。
保育園の給食の調理の仕事では、直接子供から「ありがとう」の言葉をもらうこともあり、頑張ってよかったと思うことも多いと思います。
子供たちの成長を守る仕事でもあるので、安心、安全な作業を心掛けないといけません、衛生の事など、とても厳しいこともあると思います。
仕事をする前にしっかりとした心構えがあれば、とても学びの多い仕事であると思います。
是非、メリットとデメリットを確認し、これからの選択をしていただきたいと思います。