これから接客業をやってみたいと思う方の為に、私が銀座の日本料理店で実際学んだことや大切なこと、そして大変だったことをお伝えしていきたいと思います。
接客業は人対人なので、奥が深くやりがいのあるお仕事です。
接客業といっても色々な職種があるかとは思いますが、学んだことや大切なことなどは通じるものがあると思います。
同じように大変だったことも…
場所は銀座という特殊な場所ではありますが、私にとってとても勉強になった仕事でした。
何か一つでも参考になったということがあれば幸いです。
接客業で大切なこと
接客をする時に大切なことはなんでしょうか。
私が仕事をしたうえで感じたものの中から、3つほど選んでみました。
基本的なことかもしれないですが、これではないでしょうか。
また来たい・また会いたいと思ってくれるようにする
食べ物がおいしく感じられるかそうでないかは、接客にもよると思います。
実際、自分が何かを食べに行ったところの接客がひどいと美味しいと思えなくなります。
もう一度行きたいお店は気持ちよく食事が出来て、あの人に会いたいなと思えるお店ではないでしょうか。
接客の一番の武器は「笑顔」です。
私の勤めていたお店の女将さんには多くのファンがいました。
その人格にひかれていらっしゃるお客様も多くいたのです。
自己中心ではなくお客様中心
お客様が心地の良い環境作りが出来なければいけません。
コミュニケーションをとるときも自分の話ばかりするのではなく、相手の話を沢山聞いてあげ、共感することが大事です。
どの様な用途でご来店されるかでご案内する席も考えます。
混み具合によってはベストにできなかったとしても、その中でもいい場所を選びます。
お客様が最後まで心地の良い環境作りや来てよかったと思っていただけるサービスの提供が必要です。
その日その時に全く違うので、柔軟な対応も必要になってきます。
常にお客様ファーストの心を持っていると自然と何をやるべきなのかが分かってくるはずです。
心をこめる
心を込めた接客が出来るようになったらお客様のリピートも増えてきます。
名前を覚えるのはもちろん、お客様の好みや苦手なものなども知っておくことも大切です。
料理や飲み物の置き方ひとつひとつ心を込めます。
清潔感のあるお店であるために清掃もきっちりとしてお迎えしました。
「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」の言葉も心を込めて言います。
お帰りの際はエレベーター前まで出来る限り行き、お見送りをしました。
当たり前だと思われるかもしれませんが、心をお伝えするということはそんな当たり前の事がとても重要なんです。
接客業で学んだこと
何故自分が接客の仕事をやろうかと思ったかというと、学生の頃にやったアルバイトがやはりホールの接客の仕事で、楽しかったという思いがあったからです。
笑顔で「いらっしゃいませ!」というとなんだか元気になれる自分がいました。
学生の頃は、ただ働くことに楽しさを感じていたのですが、ある程度大人になってからの接客の仕事は違うものでした。
もっと深く掘り下げて考えるようになったのです。
空気を読む力が付いた
接客はお客様がいかに快適に過ごすことが出来るかを考え接していきます。
銀座という特別な街では、食事にくるお客様は色々な用途でいらっしゃいました。
いい接客をするには、その方が今どのような状況を望まれるのかを考えなければいけません。
とても重要なお話をされている時に、大きな声でお話をさえぎってしまったり、楽しくお酒を飲まれている時に、むすっとした顔での接客をされたらとても不快に思いますよね。
仕事の接待、クラブの同伴をされる方,何かの記念日に特別な人といらっしゃる方、真剣な会話をされにいらっしゃる方、芸能の方のプライベートや打ち合わせなどは、あまりこちらからは話さないように努めました。
会話を楽しみにいらっしゃる方、お一人でいらっしゃり日々のストレスを発散される方、コミュニティの交流を図る方、、ファミリーでいらっしゃる方などはその場の雰囲気を見ながらお話させていただくこともありました。
お客様のいらっしゃる目的に合わせてその場がいい環境であるように努める事はとても重要で、またこの店に来たいと思っていただけるかどうかは、接客にかかっています。
コミュニケーション力がついた
実は私はさほどコミュニケーション能力が高いわけでもなく、かなり人見知りの人間です。
しかし、仕事となるとどのように接したらいいかを考えそのように努めるようになりました。
コミュニケーションはお互いに意思疎通がうまく出来るかというところになります。
その頃働いていたお店には女将さんがいて、とても素敵で女性からも人気のある魅力的な方でした。
その方がどのように人と接し、コミュニケーションをとっているのかを直接目で見て学ぶことが出来たのもとても貴重な経験でした。
出来なければ「真似る」
そこから始まっていきます。
見本となる人物を探すこともとても重要ですね。
器が広くなった
接客をしていると、沢山の人と出会い、色々な性格の人と関わる事になります。
時には機嫌の悪い方もいらっしゃいます。
ちょっとしたこともクレームを言ってこられたりする方もいらっしゃいます。
学生の頃はムッときてしまったことも、「この方はお仕事で疲れていらっしゃるのかもしれない」と思ったり、「貴重なご意見を頂くことが出来た」と考えられるようになりました。
それまでには、やはり悩むこともありました。
接客の本や自己啓発の本なども読みました。
見方を変えることで、受け止め方も違ってきますし、学びに変える事も出来るようになりました。
同時に2つの事を考えられるようになった(視野を広げられるようになる)
お料理を運ぶときは、必ず周りを見ながら移動します。
そうすると、飲み物が終わりそうな方がいたり、テーブルにいらないお皿が邪魔そうになっていたり、注文をしたそうにこちらを見ていることもあります。
そうすると、運びおわった時にすぐに飲み物の確認をしたり、いらないお皿を片付けたり、注文をしたそうなお客様には「少々お待ちくださいね」と声を一言かけることによって、安心感を与える事も出来ます。
全然こちらを見てくれないと不安になったりしますよね。
頭の中で、状況を把握して次にするべきことは何かを判断する能力はつきました。
今でもそれはとても役に立っています。
接客業で大変だったこと
接客業はとてもやりがいのある仕事ではあるのですが、やはり大変だなーと思うこともありました。
それはどんな仕事でもあるかとは思いますが、私が感じた接客業の大変なところをお伝えしていきたいと思います。
体力が必要
常に動いているため、体力は必要です。
一日働くと足がパンパンになる事もありました。
特に混みあった日などは、提供遅れのないように走り回ったりするので、とても疲れます。
目が回るくらい大変なこともありました。
いい接客をするには、休める時はしっかり休み、ストレス発散し、健康管理をしっかりとやっていかないといけませんね。
夜が遅い
2021年現在はコロナで遅くまでの営業も出来ない状況ですが、私が働いていた当時はお酒を提供することがほとんどだったために、夜多くまでの営業でした。
昼夜逆転の生活になっていたために、夜が苦手な自分にとっては結構辛いものもありました。
深夜になってくると目もショボショボになってくるので、それとの戦いでした。
夜に休めないのは、女性としてはお肌も気になりますしね。
嫌なお客様にも笑顔で対応しないといけない
本当に色々なお客様がいらっしゃいます。
どうしても避けられないことが、嫌なお客様でも笑顔で対応しなければいけないということ。
お客様ファーストなので、自分の好き嫌いなどで態度を変える事は絶対にしてはいけません。
物凄く嫌な思いをしたときは、トイレの個室に入って気持ちを入れ替える努力をしました。
接客業で学んだことや大切なこと大変なこと:まとめ
接客業をしていると毎日違うことが起こり、それにどのように対応していくかを常に考えさせられます。
とても学んだことも多くありました。
空気を読む力、コミュニケーション能力、自分の心の器が広くなった、同時に2つの事が出来るようになった等
仕事をするうえで、自己啓発の本なども読み成長することも出来ました。
何が大切なことなのかを知る事も出来ました。
自分の人生の中で必要なことを接客業を通じて学んだと思います。
大変だと思うことも自分を成長させる為の物と思うことが出来るならば、続けていけると思います。
今振り返ってみて、あの時自分が頑張ったから今の自分があるのだと思えます。
もちろん大変なことも沢山あったけれど、学んだことがそれ以上あり、生きていくうえで大切なことも身につけることが出来たので自分の財産として残っています。